筋膜リリースって何?
こんばんは。
整体院ハンドオンハンドの森下です。
一般の方にとって、リハビリとマッサージの違いくらい、筋膜リリースとマッサージの違いってわからないと思います。
22年前に理学療法士になったときも毎日のように「マッサージの先生」とか「腰が痛いから少し揉んでよ」とか言われました。当時は若かったので、私はマッサージ師ではありませんと突っぱねていました。理学療法士として日常生活動作を改善したいという想いでいっぱいでした。その一方で、痛みを訴える患者さんばかりなのに、何もできない自分がいました。先輩たちに聞いてもホットパックや低周波しか出てきません。そんなことは学校で学びました。
しかし、患者さんは「今、痛い」わけです。次第に痛みについて真剣に考え、痛みの対策に取り憑かれていきました。このまま東北にいては「今、痛い」患者さんの苦痛を和らげられない。東京で勉強しようと思い、国家公務員の身分を捨て、単身東京に引っ越しました。
そこで出会ったのが、徒手療法でした。まさに目から鱗でした。
他にもカイロプラクティックやオステオパシー、ドイツ徒手医学、東洋医学、鍼灸、マニュアルセラピー、トリガーポイント、ダイナミックキネシオンなどあらゆるセミナーに出席しました。
最終的に選んだのが徒手療法(筋膜リリースは徒手療法から枝分かれ)でした。
本当にこの技術は最高です!
筋膜リリースとは?
臨床(対患者さん)では「緩める」という意味で使用することが多いです。我々の頭の中では、「解放する」、「癒着を剥がす」→「滑走性」、「弾力性」、「伸縮性」を取り戻すことと理解しています。
上の図の通り、軟部組織はどこにでも癒着を生じます。筋膜はコラーゲンでできた柔らかい組織なので、癒着しやすい特徴があります。
その原因は水分量の低下や過負荷、運動不足、柔軟性低下、栄養不足などと考えられています。
なぜ、緩むの?
水分量の低い方は緩みにくい傾向があります。そのような場合、施術の準備として水分補給をしていただく必要があります。
筋膜の歪みを考えて、筋膜が伸びる方向に押圧したり、縮む方向に押圧したりしながら振動刺激を入れていきます。ただ押圧するだけよりも、圧倒的に緩むのが早いのです。理屈的には癒着しているわけですから、振動させながら伸ばしたり、縮めた方が剥がれやすいのです。
ポイントは必ず2つのポイントを触ります。1つは原因筋(モニター)、もう1つはその筋肉につながりを持つ筋肉または原因筋の反射ポイントです。
モニターは「緩み」を確認するために触知しておきます。徒手療法家の指先はセンサーになっています。とても敏感です。
もう一方はなるべく弱い刺激で緩めていきます。強揉みが好きな人にとっては「触られている」くらいの強さです。
なぜ、離れたところに原因があるの?
筋膜は全身タイツのように筋肉を覆っています。
例えば、手の甲の皮膚をなるべく広い面積でつまんでください。そして、つまんだまま手首を手の平側に曲げてみてください。引っ張られませんか?筋膜を皮膚で例えてみましたが、体の中で筋膜はこのように引っ張られます。手首よりも先をつまんでいるにも関わらず、手首より手前が突っ張りますよね?筋肉は長いので、より体の中心部分にまで伝播します。そこに、ただでさえ酷使されている腰・肩の筋肉は引っ張られて痛みを感じます。
ズボンの裾が下に引っ張られている状態でも説明できますね。裾が引っ張られているだけなのに、ウエストがずり落ちてきます。何回もウエストを引き上げても、またずり落ちます。繋がっているわけですから当たり前ですよね?そう、筋膜も全身繋がっているのです。そのような場合は裾が引っ張られている原因を取り除かないと同じことを繰り返してしまいます。
このような考え方が筋膜リリースや徒手療法をやっている治療家の考え方です。
整体院ハンドオンハンド
森下
浜松市中区天神町23−12ライブM天神1階